チャイナなブログ ANDOR Kishimura

三国志など中国語のドラマや日常情報について綴ります

中国ドラマ 「后宮・甄嬛傳」 (邦題『宮廷の諍い女』)

今回は「后宮・甄嬛傳」です。


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このドラマは、BSフジで『宮廷の諍い女』(きゅうていのいさかいめ)というタイトルで2013年に放映されていました。

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20123月に安徽テレビ、東方テレビで放送され、両局共に4周連続でトップ視聴率を獲得したそうです。

 私も、取引先の中国工場董事長・総経理から「これは面白いよ!」と勧められ視始めました。
 
ドラマの舞台は清朝5代皇帝雍正帝後宮(大奥みたいなところです)
その華麗なる後宮に住む、帝の女性達の仁義なき戦いを描いたものです。
 
76回まで有って大変長いお話なので、粗筋に関しては ウィキをご参考になさって下さい。
 
中国では、清朝なら康熙帝雍正帝西太后ラストエンペラー溥儀の時代がよくドラマ化されています。
 
特に康熙帝雍正帝時代では、先に「歩歩惊心」(邦題:宮廷女官若曦ジャクギ)が大ヒットし、同じ様な時代背景ではこれ以上ヒットするドラマは出ないだろうと言われたそうです。

しかし、「后宮・甄嬛傳」は予想に反して大ヒットしました。
 
「歩歩惊心」は乙女チックな恋愛ドラマ部分が有るのですが、「甄嬛傳」はもっとシリアス。
 
後宮での地位を獲得する為には手段を選ばず!
とても美しい女性達が、とんでもない残酷な罠を仕掛け合う、本当に「仁義なき戦い」なんですよね。
 
甄嬛も後宮に入った時と、戦いを経て最高位皇太后になった時では、全く別人のよう。
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ちょっと三国志みたい。

だからなのか、男性達も結構視ていたようです。

女性だけで無く、男性にも受けたところが勝因なのでしょうか。
(董事長曰く、アメリカ人も視ていたとか…)
 
個人的な感想としては、「歩歩惊心」より台詞が格調高いです。
至る所に詩経唐詩等の古典が引用されています。
 
特にヒロイン甄嬛は古典に通じていて、皇帝の知的な問いかけに一ひねりして返す、スノッブなやり取りが描かれています。

皇帝は漢民族ではなく満州族なのですが、漢民族の文化も会得していたんですね。すごいな~。
 
またドラマでは清朝のしきたりが忠実に再現されていました。

逆に、ハリウッド映画の「ラストエンペラー」は全く無茶苦茶。

よくぞココまでデフォルメしたな~、中国の人達怒るんじゃない?と思いましたが、さすが本家本元。
 
皇帝が一夜を共にする女性を選ぶところ、その女性が皇帝の寝室に運ばれる描写など、史実通りです。
 
宦官は皇帝へ後宮の女性の名札を見せます。

皇帝は気に入った女性の札を裏向けにします。(皇后の前で別の女性を選ぶんですよね。皇后さんに同情するわ~)

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ただ、宮中には物凄く沢山の女性がいるので、皇帝だって一々覚えていません。だから宦官が札を差し出す時に皇帝に「この女性にしては?」と提案をします。

なので、女性達は宦官に心付けを渡して、ちょっとでも自分の名前を出して貰おうとします。

中国ではどんな時もおカネが必要だったんですね~。大変!
 
選ばれた女性は刃物や毒を持ちこまない様に、素っ裸にされて布団でグルグル巻きにされ、宦官に皇帝の寝室に運ばれます。
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逆に「ちょっとな~」と思ったのは、清朝満州族の時代ですので、漢民族の娘が皇太后になる事は考えられません。
「歩歩惊心」は、満州族の登場人物がほぼ100%。こちらの方が説得力が有りますね。
 
このドラマは女性達の生死を掛けた戦いなのですが、皆さん余り幸せではありません。
ヒロインの周囲の女性達も多くは非業の死を遂げます。
 
ドラマのエンディングでの甄嬛の言葉も「疲れたわ。少し休みたい。」でした。
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最高の地位と個人の幸せは必ずしもリンクしないと言う事でしょうか。
 
イケイケとか爆買いばかりが報道される中国ですが、中国の皆さんも物質的な充足感だけではないと感じているのかもしれません。