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三国志など中国語のドラマや日常情報について綴ります

三国志 曹操、荀彧(じゅんいく)に空箱を贈る ≪three kingdoms-69≫

三国志には有能な軍師が沢山登場します。
この時代、軍師と言う地位が確立されていたようです。
 
荀いくは曹操の最も信頼する参謀・軍師です。荀と言う姓からも窺えますが、荀子の末裔でした。
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ウィキにも詳しく記述されていますね↓
 
 
 
 
政治と兵法に関しては、私は諸葛亮より荀いくの方が才能が有ったんじゃないかと思っています。
 
荀いくは王者とは何か、を心得ていた人だったと思うからです。
 
 
 
荀いくがこの「新三国」で言ったセリフがとても心に残っています。
 
 
 
それは、曹操が失敗をしたときに彼が言った言葉。
 
「知錯、改錯、不認錯」と言うセリフ。
 
「一国の主たるもの、間違った時はその誤りを知り、改めること。しかし、決して認めない事」
 
聞いて妙に納得しました。
 
 
 
これは曹操もそう考えていたようです。
 
曹操が、息子の曹丕に曹沖殺しの嫌疑をずっと掛けており、自分の臨終が近くなったとき、最後に曹丕に「殺したのか?」と訊ねます。
 
刀を突きつけられても、曹丕は決して認めませんでした。(このドラマでは曹丕が殺しています)
 
 
 
曹操はこれを見て怒るどころか「了不起!」(大したもんだ)と感嘆しています。
 
最後の最後まで過ちを認めない心の強さが、一国の主には必要だという事でしょう。
 
単純に良い人、では務まらない。
 
これを機に、曹丕は跡取りとして認められました。
 
 
 
さて、荀いくは曹操に「我が張良なり」(張良は漢の始祖劉邦の片腕)と言わせ、同時に「知心的老友」(心を許した友)とも言わせた人です。
 
曹操はその知謀を100%信じ、ぶっちゃけな話もできた人だったようです
 
曹操のぶっちゃけ話なんて、聞く方も相当な器量を持ってないと、できない事ですよね。
 
 
 
荀いくも曹操を敬愛し、数々の素晴らしい献策をしました。
 
官渡の戦いでは、彼の献策があったからこそ、曹操は大勝利できたのです。
 
 
 
しかし、荀いくの一生は悲劇で幕を閉じました。
 
 
 
曹操は魏王を賜るのですが、臣下が王になる事を荀いくは快く思っていませんでした。
 
最期の最後まで王位についた曹操を真っ向から批判しました。
 
遂には病と称して出仕もしなくなりました。
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そのお見舞いに、と曹操は荀いくに「空箱」を贈ったのです。
 
その意味を悟った荀いくは自ら命を絶ちました。
 
この謎もお互いに分かり合った仲だからこそ、でしょうが、その真意は「お前にはもう用はない」と言うもの。
 
曹操も、荀いくが自殺すること見越して空箱を送っているのですから、恐ろしいことです。
 
 
 
「知心的老友」も最後は「看錯曹操的人」(曹操を理解しない人)となって、曹操自らその命を奪うのですから、お互いに孤独で寂しい人たちですね。